岐阜旅

随分前に、向田邦子の”女の人差し指”というエッセイを読んだ。
その中に岐阜の話があり、渋いなぁと思いながらもいつか行ってみようと頭の片隅に置いていた。

ちょうど何もない休みがあり、母をショートステイに預けて、久しぶりに1人で旅をしてきました。

大垣に泊まり、岐阜城、養老、谷汲山。

岐阜城が高すぎて、高所恐怖症なことを再確認。
昔は信長に会うために、あんな高いとこまで登らなあかんかったのか。
国盗り物語を読んでたらもっと楽しめたはず。

その後、大垣から養老鉄道で養老へ。
養老の滝でリフレッシュ。
山の土産屋で養老サイダー片手に養老昔話を読む。
夕方帰りに、遊園地養老ランドを外見に懐かしい気持ちになった。
コーヒーカップ、小さな観覧車、私がよく行った宝塚ファミリーランドや阪神パークを思い出させた。
こんな気持ちにもさせてくれるから旅はいい。

夕食は大垣ホテルのパンフレットみて町の寿司屋”寿し吉”。寿司屋に1人で入れたのも知らない土地だから。

翌日、谷汲口(写真)に行き、事前に予約したはなももバスという車で運転手のお姉さんにガイドされながら、
タイトスケジュールで観光に選んだ横蔵寺と谷汲温泉へ。
大体華厳寺に行くのにマニアックな選択にどうして?ときかれた。
本で読んでミイラがいるお寺が印象に残ったからと答えながら、悪趣味かもしれないなぁと思った。
横蔵寺は駅から離れた山の中、ひっそりとして、ひと気もなく大自然と古い建物に囲まれ吸い込まれそうで、私は帰れるんだろうかと不安になった。
観光時間を早めに切り上げ、待ってくれてた運転手のお姉さんに、帰ってこないかもと思ってたと心配された。
谷汲温泉でゆっくり湯につかり、お姉さんにお礼と別れを告げ樽見鉄道に乗った。

ずっとずっと2日間、山と川、盆地田んぼの景色を眺めていた。

2日目の谷汲に向かう朝。
電車の中で、昔十三テハンノで知り合った筒井トシアキくんの訃報を知った。 
急なことでびっくりして、半分以上うわの空だった。
帰りの電車で私の前に親子が座ってて、お父さんが眼鏡かけてて筒井くんに見えた。
ほんとに似ていたのかはわからない。

大阪に帰ってきてすぐ筒井くんに会いに行った。
突然すぎてまだ信じられない。
何年も会ってないけど、また会えると思ってた。
昔に知り合った人だったからか。

生きてるうちに行きたい場所に行き、会いたい人には会いにゆく。
もう未来のことよりきっと今が大事。

今もぼんやりした気持ちが続いている。

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